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出願手続きにおける弁理士の必要性

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公開日:2016年07月27日

出願手続きにおける弁理士の必要性
特許や商標等の出願については、弁理士に手続きの代理を依頼することが一般的となっています。
そこで、今回は、出願手続きにおける弁理士の必要性について、ご説明したいと思います。

目次

  1. 出願人が直接出願手続きを行う場合の問題点
  2. その原因について
  3. 防止策
  4. 弁理士の必要性(メリット)
  5. 弁理士に依頼する際の主な注意点
  6. まとめ

出願人が直接出願手続きを行う場合の問題点

特許や商標等の出願手続きは、弁理士等に依頼をしなくても、出願人自身において直接行うことが可能です。そのため、出願人自身が直接出願手続きを行えば、その分、弁理士等の費用をおさえることができるというメリットがあります。

しかし、その一方で、出願人が直接出願手続きを行う場合、以下のような問題が生じることがあります。

  • せっかく出願をしても、特許庁からの拒絶理由通知に対して適切な対処ができず、権利取得を断念せざるを得ない
  • 出願人が、権利化したいと思っていた内容が出願書類に適切に反映されていない
  • 問題2の結果、権利を取得しても、その権利範囲が適切でないことから、第三者の模倣(侵害行為)を効果的に阻止することができない

その原因について

出願人が直接出願手続きを行う場合、なぜ、上記のような問題が生じるのでしょうか?
その原因としては、主に、次のことが考えられます。

  • 出願前に、十分な登録可能性調査が行われておらず、想定される拒絶理由について、検討がなされていない
  • 出願前の段階で、権利化したい内容が明確に定まっておらず、権利化したい内容等について、十分な検討がなされていない
  • 将来、想定される他人の侵害態様について、多角的な検討がなされていない。

防止策

では、上記のような問題を未然に防ぐためには、どのような点に注意をすればよいのでしょうか?
この点については、主に、次のことが挙げられます。

  • 権利化したい内容を精査し、そのポイントを押さえる
  • 権利化したいポイントを踏まえた出願前の登録可能性調査を行い、想定される拒絶理由を把握する
  • 登録の可能性(想定される拒絶理由)を踏まえ、改めて、権利化のポイントを精査する
  • 防止策3において精査した権利化のポイントを踏まえ、将来、想定される他人の侵害態様を、あらゆる観点から検討する

弁理士の必要性(メリット)

知的財産権と一口にいっても、その種類は多岐に渡り、各知的財産権の内容も複雑難解であることから、常日頃、知的財産の権利化業務に携わっていない方にとっては、知的財産権の内容やその活用方法について、なかなか、具体的なイメージが持てないのが正直なところではないでしょうか。

そのため、このような防止策を施すことで、上記に挙げた問題点を、ある程度、解消することは可能であると思われますが、上記防止策の項で検討した内容を、適切に出願内容に反映させ、上記問題点を高い確率で防ぐためには、特許法や商標法等をはじめとする知的財産関連法規に精通し、かつ、出願等についての十分な経験が必要になると考えます。

したがって、適切な権利取得及び効果的な模倣(侵害行為)阻止という観点からすれば、出願人が直接出願手続きを行うよりかは、やはり、知的財産の専門家である弁理士に出願の手続きを依頼する方が得策といえるのではないでしょうか。

また、特許や商標等の出願手続きは複雑であり、出願書類の記載要件も厳格に定められていることから、出願手続き一つを行うにしても大変な時間と労力を要するものです。

よって、このような観点からしても、弁理士に出願手続きを依頼する方が、より効率的に権利取得ができ、結果として高いコストパフォーマンスの実現が可能となることから、弁理士に依頼するメリットは大きいといえます。

弁理士の必要性(メリット)のまとめ

  1. 想定される拒絶理由や対応策を検討した上での戦略的な出願及び権利取得が可能となる
  2. 適切な権利範囲を設定し、将来の他人における模倣(侵害行為)を効果的に阻止することができる
  3. 効率的に権利取得ができ、結果として高いコストパフォーマンスの実現が可能となる

弁理士に依頼する際の主な注意点

弁理士に出願手続きの代理を依頼しても、権利化したいポイントが、出願書類に反映されていなければ、上記問題点を防止することはできず、結局、弁理士に依頼するメリットは大きく失われてしまいます。

そのため、弁理士に出願手続きの代理を依頼する際には、以下の点に注意が必要です。

権利化したいポイントを、弁理士に正確に伝える。

弁理士が、権利化したいポイントを正確に把握できなければ、権利化したいポイントを出願書類に適切に反映させることはできません。
そのため、このような事態を防止するためにも、口頭だけでなく、権利化したいポイントを書面にまとめ、これと合わせて、口頭で説明するとよいでしょう。

弁理士からの説明で、わからない事があれば、遠慮せず、どんどん質問する。

知的財産に関する用語には、多くの専門用語があることから、出願人にとっては、弁理士の説明を理解できないことも少なくありません。
そのため、わからない説明内容をそのままにせず、権利化したいポイントが、正確に、弁理士に伝わっているかを確認するためにも、わからないことは、遠慮せずどんどん、弁理士に質問しましょう。

出願前に、必ず、出願書類の内容を確認する。

弁理士に出願書類を作成してもらったら、必ず、出願前に、その内容を精査し、権利化したいポイントが、きちんと、出願書類に反映されているかを確認しましょう。
出願後に、出願書類の内容を修正することは、いろいろと法律の制限がありますので、この確認作業を行うことは非常に重要となります。

まとめ

このように、出願手続きにおいて、弁理士に手続きの代理を依頼する必要性(メリット)は高いといえることから、これを機に、是非一度、知的財産の権利化(出願手続き)について、弁理士にご相談されてみてはいかがでしょうか。