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発明の構成がとてもシンプルであったが、特許権の取得ができた事例

発明の構成がとてもシンプルであったが、特許権の取得ができた事例

業種 リネン製品の製造販売

ご相談に至った経緯

リネン製品の製造販売等を行うD社は、競合他社との差別化を図る目的で、新たなリネン製品の開発を行いました。

しかし、このリネン製品は、従来の製品と比べ使い勝手がよいものの、構造がとてもシンプルであったことから、D社は、「この製品を市場に投入すると、すぐにでも競合他社にまねされるのではないか。構造もシンプルだから特許権も取れないだろう。」と不安に感じていました。

そこで、D社は、競合他社の模倣を防ぐための方法を探るべく、ベリーベスト国際特許事務所に相談をしました。

ベリーベストでの対応と結果

D社から相談を受けた担当弁理士は、まず、新たに開発されたリネン製品(以下、「本件発明」といいます。)の特許の可能性(権利化の可能性)を探るべく、先行技術調査を行うことをD社に提案しました。

D社から先行技術調査の依頼を受けた担当弁理士は、早速、当該調査に取り掛かりました。その結果、担当弁理士は、本件発明の特許の可能性について、次の見解に至りました。

■担当弁理士の見解

  1. (1) 本件発明は、構造はシンプルだが、従来技術(製品)にはない新しい構造(構成1)を有している。
  2. (2) D社からの指摘はなかったが、先行技術調査の結果を踏まえると、本件発明には、構成1の他にも従来技術にはない新しい構造(構成2)がある。
  3. (3) 確かに、D社が考えるとおり、本件発明は、構成1によって、従来技術よりも使い勝手がよくなっているが、他の従来技術を踏まえると、これのみでは、本件発明より従来技術と比較した大きな効果が奏するとはいえない。しかし、構成2によって奏する効果も合わせれば、本件発明からは、従来技術にはない大きな効果が発揮されるといえる(つまり、構成1と2の相乗効果が特許取得のポイント)。
  4. (4) 上記(1)~(3)より、本件発明は、新規性及び進歩性を有する可能性がある(特許の可能性が認められる)。

そこで、上記のように考えた担当弁理士は、D社に対し、その旨(「構成1と2の相乗効果が特許取得のポイント」であること)を報告しました。

すると、D社より、「構成2が特許取得の上で有用だとは気づかなかった。ご提案の内容で、本件発明について、特許出願に関する手続きを進めてほしい。」との依頼を受けたことから、担当弁理士は、直ちに「構成1と2及びこれらの構成から奏する効果」に焦点を当てた出願書類を作成し、特許庁に申請を行いました。

その結果、本件発明は、特許庁との何度かのやり取りを経て、無事に特許として認められることになりました。

弁理士のコメント

発明の構成がシンプルでも、特許取得の可能性は残されます。
例えば、上記ケースのように、発明の構成がシンプルであっても、従来技術にはない新しい構成があり、その構成から、従来技術からは発揮されない優れた効果が奏するのであれば、特許として認められる可能性は十分残されます。

構成がシンプルなものは、とかく他人に模倣されるおそれがあります。
このことから、構成がシンプルな発明こそ、特許権等を取得する必要性は高いといえることから、発明の構成がシンプルだからといって諦めるのではなく、一度は、特許の専門家である弁理士にご相談されてみてはいかがでしょうか。

ケースにもよりますが、特許取得の可能性が見つかるかもしれません。